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【FEエンゲージ】オルテンシアが操る闇の紋章士とは?|ストーリー解説⑦

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ファイアーエムブレム エンゲージ — ストーリーガイド⑦

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第7章:闇の紋章士

ストーリーあらすじ

フィレネ領を出発した神竜リュール一行は、紋章士の指輪を託されたブロディア王国との国境へと到達する。

そこではブロディア第二王子スタルーク(アルクリスト)が迎撃態勢で待ち構えていた。彼は侵入者と勘違いして矢を射かけるが、神竜と知ると「すみませんでしたーーーーっ!!」と見事な土下座で謝罪する。

スタルークは気弱で自己評価の低い青年だが、国境で異形兵(ソンブル復活に伴い各地に現れる魔物)討伐を続けており緊張していたのである。

同行する臣下ラピスシトリニカも「弱ければ奪われる。それがこの国の掟です」と語り、実力主義のブロディアらしい気風でフィレネ勢を牽制する。

しかしスタルーク自身は「兄上は強く聡明で威張ったところがない…で、その残りカスが僕です」と自虐するほど謙虚で 、リュールが感謝を伝えると「わぁ…いい人だ。…僕の薄汚さが露呈するので、あまり輝きを放つのはやめてください…」と慌てる場面もあった。

こうして誤解は解け、一行はブロディア城へ同行される。

スタルークは道中、フィレネ女王イブからの書簡でリュールたちの来訪を承知していたと語り 、ブロディア王モリオンの勅命で国境まで迎えに来たものの、異形兵と賊ばかりが押し寄せるので「待てど暮らせど来るのは化け物ばかり」だったと苦笑する。

和やかな雰囲気になる中、スタルークは「我が国に伝わるのは『若き獅子の指輪』です」と言及する。それは赤い宝石が嵌め込まれた勇ましい雰囲気の指輪で、兄ディアマンド第一王子が最近「指輪から声が聞こえる」と語っていたそうだ。

スタルークは偉大な兄を心から尊敬しており、「僕はあの人の弟で幸せ」と誇らしげ。こうした会話からブロディア王国が保有する紋章士の指輪について情報が共有され、一行は絆を深めて行った。

やがて一行が国境のグランスール大橋に差しかかると、突如「待っていたぞー」「このあたしを待たせるなんていい度胸ね!」という少女の声が響く。

現れたのはイルシオン王国第二王女オルテンシアだった。ピンクの髪をツインテールにまとめた可憐な少女だが、邪竜復活を成し遂げた邪悪な国の王女でもある。

彼女は神竜リュールの存在に興味津々で、「ほかの人よりキレイだからすぐわかったわ。めずらしい色違いの瞳…」と無邪気に距離を詰めて来る。

スタルークは「近づかないでください!邪竜を復活させた悪しき国の者が…神竜様に近づく資格などありません!」とリュールを庇うが、オルテンシアは「悪しき国はそっちでしょ。お父様(イルシオン国王)曰くブロディアは欲深く野蛮な国だって」と嘲笑しする。

実際、イルシオンはかねてブロディアの侵略に苦しめられてきた経緯があり、領土紛争で多くの民が傷ついたと彼女は非難した。スタルークも黙っておらず「領土が欲しくて侵攻しているわけではない!怪しい動きを見せるイルシオンから自国を守るためだ」と反論します。

互いの正義がぶつかり合う中、オルテンシアは「今回は指輪を奪いに来ただけ。お父様(イルシオン国王ハイアシンス)のご命令よ」と目的を明かし、リュール達に所有する指輪をすべて差し出すよう要求する。もちろんリュールはこれを拒否した。

オルテンシアは「めんどくさいわね…」と舌打ちし、「ブロディア城のほうに行くお姉様(第一王女アイビー)のほうが羨ましくなってきちゃった」と不用意に漏らす。

リュールが「それはイルシオン第一王女がブロディア城を襲撃するということですか?」と問い質すと、オルテンシアは「あ!コレ言っちゃダメだったっけ」と口を滑らせたことに気付く。

スタルークは「大変です!早く城に戻りましょう!」と色めき立ちますが 、オルテンシアは「通すわけないわ。指輪を全部奪いなさい!」と号令を発し、自軍に攻撃を命じる。こうして戦闘が開始されたのであった。

キャラクターの心理描写と関係性

スタルーク

スタルークは初対面のリュール達に矢を放つという狼狽ぶりを見せたが、その後の土下座からも分かる通り根は誠実で心優しい青年である。

すみません、すみません…迎えが僕なんかですみません!」と何度も謝罪する姿や、自分を「薄汚い」と卑下する発言からも自己評価の低さが窺える。

彼は「強く聡明」な兄ディアマンドを心から敬愛しており、自分は兄の足元にも及ばないと思い込んでいる。そんなスタルークに対し、リュールは「王子自らの出迎えに感謝しています。お会いできて光栄です」と真摯に礼を述べる。

リュールから真っ直ぐに肯定されたスタルークは一瞬信じられないというように戸惑い、「わぁ…いい人だ」と感激するのであった。

スタルークの卑屈さは臣下のラピスにも心配されており、彼女は「お前のその卑屈なところは本当に直らんな」とぼやくモリオン王の気持ちに同調している(※第8章会話より)。

スタルークとラピスシトリニカの主従関係は堅苦しさがなく、ラピスが「きゅん…」と胸をときめかせたり 、シトリニカが彼を窘めたりと 、親しい雰囲気が垣間見える。

スタルークは臣下2人を大切に思っており、「この命、失うわけにはいきません…二人は僕が守ります」と戦闘前に宣言する。しかし当のラピス達から「王子たるあなたを守るのが使命」と逆にたしなめられてしまい 、慌てて後衛に戻されるという微笑ましいやりとりも見られた。

オルテンシア

一方、敵として立ちはだかったオルテンシアは、明るく天真爛漫な口調で相手を揶揄する少女。

彼女は初対面の神竜リュールに「他の人よりキレイ」「珍しい瞳」と無遠慮に称賛を送りつつも 、ブロディア兵に対しては「悪しき国の者」と嫌悪を露わにした。この態度から、幼いながらも国同士の憎悪をそのまま吸収している様子がうかがえる。

実際、彼女は父ハイアシンス王の言葉を鵜呑みにし「ブロディアは欲深く野蛮」と決めつけており 、ブロディア軍に身内や国民を傷つけられた経験から「本当に迷惑!兵士や民たちがどれだけ傷ついたか!」と怒りをあらわにした。

スタルークとの口論は互いの正義を主張し合う形となり、年若い王女ながら毅然と論戦するオルテンシアの芯の強さが見て取れる。とはいえ彼女は王命には逆らえず、父のため指輪強奪を遂行しようとする。その一方で、うっかり作戦を漏らしてしまい「あ!言っちゃダメだった?」と焦る子供らしい一面もあった。

オルテンシアはこの戦いで、姉アイビーへの複雑な思いを滲ませている。姉がブロディア城を攻撃中だと明かした際、「姉様が羨ましくなっちゃった」と発言しており 、自分も父に認められたいという競争心や焦りが垣間見える。

実はこの段階で既に、ハイアシンス王は邪竜ソンブルに傾倒し始めており、優しかった父が自分に無関心になってしまったことにオルテンシアは心を痛めていた。

この戦闘の直前、オルテンシアは「ソンブル様の封印を解いてから何もかもめちゃくちゃ。優しかったお父様も私に興味ないみたい…最近はあのフードの子と“四狗”ばかり」とロサードに心情を吐露している。

愛情深い父が変貌していく寂しさと、父に振り向いてほしい一心で無茶な作戦に挑む健気さが、オルテンシアの内面にはある。この後、彼女の境遇はさらに過酷になるが、第7章時点では敵ながら憎みきれない少女として描かれている。

世界観と戦争の背景

ブロディアとイルシオンの対立

エレオス大陸の四国のうち、ブロディア王国とイルシオン王国は長年にわたり緊張関係にある。ブロディアは“武力の国” と称される通り、力による威光を重んじる王国。

王や王族自ら前線に立つ武勇の伝統があり、「弱ければ奪われる」が掟とまで言われる実力主義の風土がある。実際、ブロディア王モリオンは好戦的な人物で、過去に何度も隣国イルシオンへ侵攻を仕掛けたことが示唆されている。

当時イルシオン王国は邪竜信仰による閉鎖的な国家で、邪竜復活を画策しているという“不穏な噂”がブロディア側に伝わっていた。

ブロディアは自衛のため先制攻撃的にイルシオン領へ攻め込んでいた節があり、スタルークも「民を脅威に晒せないから」と侵攻の正当性を主張している。

一方イルシオン側から見れば、ブロディアの度重なる侵略は明白な脅威であり、「領土を広げようとしてしつこく侵略に来る…兵士や民がどれだけ傷ついたか!」とオルテンシアが憤る通り、大きなしこりを残している。

このようにブロディアVSイルシオンは宗教観・国家観の違いも絡んだ対立であり、互いに相手を「悪しき国」と信じ込んでいる状況である。第7章冒頭のスタルークとオルテンシアの言い争いは、両国の積年の確執を象徴するものと言える。

「闇の紋章士」の出現

闇の紋章士・ルキナ

本章タイトルにもなっている「闇の紋章士」とは、邪竜側が行使する闇の紋章士の顕現のこと。物語序盤、女神ルミエルのもとに保管されていた複数の指輪がイルシオン軍に奪われており、その中にはかつて聖王国を救った伝説の英雄=紋章士も含まれていた。

オルテンシアはどうやらその一つ《聖王女の指輪》を手中に収めていたらしく、戦闘開始から1ターン後に邪竜ソンブルの力で紋章士ルキナと“闇シンクロ”する。

ゲーム上でもイベントが挟まれ、オルテンシアが禍々しい力で覚醒し「闇の紋章士(ルキナ)」を宿したことが示唆される。闇の紋章士ルキナは周囲の味方に連携攻撃を発生させるスキルを持っており、敵軍の攻撃が一斉に飛んでくる危険な存在だった。

このように、邪竜軍も紋章士の力を行使できることが初めて判明したのが第7章。以降、プレイヤーは各地の奪われた指輪を取り返すと同時に、闇落ちさせられた紋章士たちとも戦わねばならなくなる。

闇シンクロ中の紋章士の名前は画面上「???」と表示され 、本来の人格や記憶が封印されている様子もうかがえる。リュール達にとって紋章士は心強い仲間だが、一歩間違えば敵にもなり得る両刃の剣なのだ。この緊張感が物語と戦闘に新たなスリルを与えている。

戦闘マップの構造と戦術

第7章の戦場はグランスール大橋とその両岸に広がる地形。マップ中央に横たわる巨大な橋を挟み、自軍と敵軍が対峙する。

橋の上は遮蔽物が少なく真正面からの撃ち合いになりやすい構造で、上下二手に部隊を分けて進軍するのが基本戦術となる。

ブロディア側から駆けつけたスタルーク(弓兵)ラピス(剣士)シトリニカ(魔導士)はそれぞれ異なる武器スタイルを持つため、チームを上下に割って配置すると効率的。

例えば上ルートは魔防の高いユニットとアーチャーを編成し、下ルートは重装キラーの斧使いや回避の高い前衛を置く、といった具合。

特にこのマップでは敵に飛行ユニット(ペガサスナイト)が多く配置されており、弓による対空攻撃が重要になる。

新加入のスタルークは弓兵クラスであり、オルテンシアやロサードら飛行敵に特効ダメージを与えられるため活躍が期待できる。実際、攻略サイトでも「スタルークの弓を上手に利用しましょう」と推奨されており、彼を要に据えた戦術が紹介されている。

難易度ノーマル・ハードでは増援もターン制限もなく、じっくり攻略できるマップ。自軍初期位置から見て左側(北側)にスタルークとラピスを含む隊、右側(南側)にシトリニカを含む隊を配置するとバランスよく進められる。左右それぞれに細い橋桁が分岐しており、敵も上下から迫って来るが、各個撃破しながら前進しよう。

初期配置の敵将オルテンシアは中央やや北寄りに陣取っており、射程内に入るとエンゲージ技「オールフォーワン」(紋章士ルキナの奥義)で強力な連携攻撃をしかけて来る。

しかし彼女はこちらから近づかない限り積極的には動かないAIのため、まず周囲の取り巻きを安全に処理することが肝要。幸いオルテンシア軍には増援がなく、じわじわと迫ってくる敵もいるものの焦る必要もない。

各ユニットを回復床(回避+30・毎ターンHP回復)や防衛床に立たせつつ進めば、被害を抑えて攻略可能。

終盤、オルテンシア周辺の敵を倒したら満を持してボスに総攻撃を仕掛ける。オルテンシアは飛行ユニットゆえ弓攻撃が有効で、さらに斧で攻撃すれば回避を下げつつ大ダメージを与えられる (※闇ルキナ状態のオルテンシアはハード以上で特効耐性スキルを持つが、それでも弓による削りは有効で)。

プレイヤー視点の考察と演出意図

第7章は物語とゲームシステムの両面で、大きな転換点となる章である。物語上は、各国の王族・主要人物が続々登場し、人間関係が一気に賑やかになっていく。

冒頭のスタルークの土下座シーンはシリアス一辺倒だった序盤を和ませるコミカルな演出であり、以降のスタルークの卑屈キャラクターも含めてプレイヤーの印象に強く残る。

また敵方のオルテンシアも単なる悪役ではなく、年相応の未熟さや家族へのコンプレックスが描かれることで物語に深みを与えている。こうしたドラマ性の強化は、本章以降のエンゲージの魅力と言えるだろう。

ゲーム面では、敵が紋章士の力を解禁したことで緊張感が増した。序盤は味方だけがエンゲージ(紋章士との融合)を使えたため有利に戦えたが、闇の紋章士ルキナの出現によってその独壇場は終わりを迎える。

敵軍も遠距離からのチェインアタックや必殺奥義を繰り出すようになり、戦術に一層の工夫が求められるようになった。実際、初見プレイヤーの中にはオルテンシアの奇襲により味方が倒され、“竜の時水晶”による巻き戻しを余儀なくされた人もいるだろう。

以降は敵味方ともに紋章士を駆使するハイリスク・ハイリターンな戦闘が展開し、プレイヤーは常に指輪の奪取・奪還を意識することになる。

この第7章の戦いで一時的にリュール達はオルテンシアから指輪(紋章士ルキナ)を取り返せなかったものの、互いの指輪をめぐる争奪戦は本格化して行く。

物語終盤、戦闘後のイベントではヴェイルが再登場。 彼女は夜の村で異形兵を単独で討伐していた。

彼女は「これでこの村は大丈夫。でも…もっと強かったはず。私もそんな風になりたい。会ってお話がしたい…」と独白し 、さらに「どこにいるの…お兄ちゃん」と呟く。

この台詞から、彼女が探している「兄(姉)」とはリュールのことであると示唆される。リュールとヴェイルはこの章より前、旅の途中で偶然出会い友達になっており、リュールが包帯を巻いて助けてくれたこともあり、ヴェイルはリュールに強い好意を抱いている様子。

しかし彼女の正体は現時点で不明であり、不意に姿を消してしまう。プレイヤーにとっては「邪竜軍とも異形兵とも違う、第3の存在」が提示された形で、ヴェイルの目的や素性は大きな謎として物語に残った。こうして第7章は、多くのキャラクターを動かしつつ物語を加速させる役割を果たし、プレイヤーの期待感を大いに高めて幕を閉じる。

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